【コロンビアコーヒー】特徴とおすすめ焙煎度 焙煎難易度は高いが香りは世界トップクラス

コロンビアコーヒー 特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を解説

国土の半分が山岳高原地帯で気温、降雨量、土壌など栽培環境にとても恵まれています。

品質も良くコーヒー生産量も世界第三位を誇る、そんなコロンビアコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を詳しく解説していきます。

基本情報
国名コロンビア(南アメリカ)
Republic of Colombia
人口5088万2844人(※1)
面積113.9万平方キロメートル
首都ボゴタ
コーヒー生産量1450万袋(※2)

参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)

(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)


コロンビアコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?

淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。

特徴

高品質で香りも高く、酸味の強さが最大の特徴です。フレーバーの幅も広く、チョコレートやジャムのように甘くフルーティーなものまで存在します。

豆は大粒で肉厚、比較的硬質な豆が多くあります。


おすすめ焙煎度

豊かなコクと華やかな香りを楽しみたい   中深煎り

酸味が控えめで雑味もなく、ほどよい苦みを楽しみたい   中煎り

焙煎難易度は非常に高く浅煎りでは酸味がきつく、深煎りでは苦すぎます。中煎りか中深煎りまでに抑えるのがポイントです。

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「花の国」コロンビア 現在に至るまでの歴史を解説

美人が多い国でも有名なコロンビアですが、実は切り花の出荷量が世界2位、カーネーションに関しては世界1位の輸出量を誇る「花の国」でもあります。

コロンビアコーヒーの歴史

コーヒーを初めて持ち込んだのは1723年にイエズス会だったと言われています。

商品作物として国内に広まりましたが19世紀末までは重要な作物になりませんでした。しかし1912年にはコーヒーはコロンビアの輸出総額の約50%を占めるまで成長しました。


コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)の存在

コロンビアは早い段階でマーケティングとブランド力構築に力を注いでいました。

1927年に発足したコロンビアコーヒー生産者連合会(以下、FNC)は生産者の利益を守ることを目的としたNGOで輸出コーヒーにかかる特別税によって現在も運営されています。

特にコロンビアコーヒーを代表するキャラクター「フアン・バルデス」は印象的で商品に付加価値をつけていました。

FNCはマーケティングや生産、経営問題にも明確な役割を果たしています。
その役割は地方道路や学校、医療センターといったインフラ整備にまで及び、地方都市の発展や福祉分野の手助けもしています。

「フアン・バルデス」の功績

FNCによって創られたコロンビアコーヒーを代表するキャラクターです。

相棒のラバ 「コンチータ」と共に現在もコロンビアコーヒーの美味しさと、生産者の努力を多くの人たちに伝えています。

Juan Valdez, actor.jpg

Photo taken by poster (dtaw2001) and released to public domain. – Taken from , Copyrighted free use, リンクによる

1960年に初登場してから現在まで3人の実在する人物が演じ、広告やテレビなどで活躍しています。

現在のフアンは3代目でコロンビア国内のコーヒー農家の中から公募で選ばれ、2007年からアンティオキア県の農園主カルロス・カスタニェーダがフアンを演じています。


コロンビア豆の格付け(グレード)

等級名称豆の大きさスクリーンサイズ
Excelso Premium
(エクセルソ プレミアム)
187.14mm~
Excelso Supremo
(エクセルソ スプレモ)
176.75mm~
Excelso Extra
(エクセルソ エクストラ)
166.35mm~
Excelso Europa
(エクセルソ ヨーロッパ)
155.95mm~
Excelso UGQ
(エクセルソ UGQ)
15
全体の50%以上
残りは14
5.56mm~

販売促進のためにFNCが「エクセルソ」と「スプレモ」という等級を作りました。これらは豆の大きさだけで決めているので、味や質には何も関係ないようです。

スクリーンサイズ16以上がスペシャルティコーヒーとして取引されます。
また「ヨーロッパ」と「UGQ」は一般のコロンビアコーヒー豆として輸出され、スクリーンサイズ13以下は国内で消費されています。

等級名称豆の大きさスクリーンサイズ
Excelso Maragogipe
(エクセルソ マラゴジッペ)
176.75mm~
Excelso Caracol
(エクセルソ カラコル)
124.76mm~

希少性が高い「マラゴジッペ」「カラコル(ピーベリー)」は貴重なコーヒーとして取引され、スペシャルティコーヒーに分類されています。


トレーサビリティ

豆の大きさで等級を決めているコロンビアコーヒーは、農家から集めた豆を混ぜてからサイズ分けをします。これにより追跡は不可能になります。等級で判断せず特定の産地や農園で採れた豆を選ぶことが重要になります。
コロンビアメデジンの街並み

気になる生産地域をチェック!

夏は蒸し暑く冬は寒い気候です。1年の気温は2度から33度くらいまでに変化します。

主な生産情報と品種

コロンビアのコーヒーは年に2度収穫期を迎えます。最盛期は「メインクロップ」、2度目の収穫は「ミタカクロップ」と呼ばれています。

ウイラ

標高:1250~2000m

収穫期:9月~12月(メインクロップ)、4月~5月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

豊かな土壌とコーヒ栽培に最適な条件が整った地域です。その味は複雑でフルーティーなコーヒーが味わえます。


ナリーニョ

標高:1500~2300m

収穫期:4月~6月 品種:ティピカ、カトゥーラ、カスティージョ

赤道に近く気候がコーヒー栽培に適している地域です。品質が良く魅力的なコーヒーを生産しています。約4万人の小規模農家はお互いに助け合い、FNCと連携して生産しています。


カウカ

標高:1700~2100m

収穫期:3月~6月(メインクロップ)、11月~12月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

インザ地区とポパヤン近郊で栽培されるコーヒーが特に有名です。ポパヤン高原は標高が高く、赤道に近く、山々も近いので湿気や貿易風からコーヒーを守ることができるからです。


トリマ

標高:1200~1900m

収穫期:3月~6月(メインクロップ)、10月~12月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

生産量は非常に少ないが、小規模農家が質の高いコーヒーを農業協同組合を通して出荷しています。


キンディオ

標高:1400~2000m

収穫期:9月~12月(メインクロップ)、4月~5月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

コーヒーに関するテーマパークや国立コーヒー公園があります。毎年6月にナショナル・コーヒー・パーティーが開催され、コーヒーの祭典が行われます。


リサラルダ

標高:1300~1650m

収穫期:9月~12月(メインクロップ)、4月~5月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

安定したコーヒー生産が行われ、多くの農家が農業協同組合に属しています。様々な認証団体から注目されている地域です。


カルダス

標高:1300~1800m

収穫期:9月~12月(メインクロップ)、4月~5月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

キンディオ、リサラルダと並び「コーヒー三角地帯」と呼ばれコロンビアコーヒーの軸となっています。コロンビアで最高のコーヒーを生みだす地域とも言われています。国立コーヒー研究センターもあります。


アンティオキア

標高:1300~2200m

収穫期:9月~12月(メインクロップ)、4月~5月(ミタカクロップ)
品種:カトゥーラ、カスティージョ、ティピカ

コロンビアコーヒーとFNC発祥の地です。大規模農園と小規模農家が混在しています。


サンタンデール

標高:1200~1700m

収穫期:9月~12月 品種:カスティージョ、カトゥーラ、ティピカ

コロンビアで初めて輸出用コーヒーを生産した地域の一つです。比較的に標高が低いので、熟して甘味のあるフレーバーが表れます。この地域で生産されるコーヒーの大部分は「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得しています。


まとめ

コロンビアコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。

【コロンビアコーヒー】特徴・おすすめ焙煎度・その他情報

味・生豆の特徴

香りが高く酸味の強さが特徴です。

大粒で肉厚、比較的硬質な豆が多くあります。


おすすめ焙煎度

豊かなコクと華やかな香りを楽しみたい 中深煎り

酸味が控えめで雑味もなく、ほどよい苦みを楽しみたい 中煎り


豆の格付け(グレード)

※豆のサイズで格付けされており味はほとんど変わりません。

「スプレモ」はスクリーンサイズ17以上のコーヒー豆を表します。


トレーサビリティ

等級で判断せず特定の産地や農園で採れた豆を選ぶことが重要です。


注目の生産地域

ウイラ 豊かな土壌と栽培に最適な条件が整った地域です。複雑でフルーティーなコーヒーが味わえます。

ナリーニョ 気候が栽培に適している地域で、品質が良く非常に魅力的なコーヒーが手に入ります。

サンタンデール 熟して甘味のあるフレーバーが特徴です。生産される大部分のコーヒーが「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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