キューバコーヒー 特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を解説
戦争や革命など様々な歴史を歩んできたキューバ、現在はのんびりとした雰囲気と時が止まったかのような街並みで観光地として人気があります。
コーヒー栽培に適した気候や地形から生まれるコーヒーの伸びしろは十分あります。
自国での消費割合が多く輸出量も少ない、そんな希少性の高いキューバコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を詳しく解説していきます。
基本情報 | |
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国名 | キューバ共和国(中央アメリカ) Republic of Cuba |
人口 | 1132万6616人(※1) |
面積 | 11.0万平方キロメートル |
首都 | ハバナ |
コーヒー生産量 | 13万袋(※2) |
参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)
(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)
キューバコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?
淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。
特徴
濃厚でヘビーなコク、控えめな酸味とバランスの良い甘味が特徴です。
カリブ海らしい軽い味わいのコーヒーで、全体的に柔らかく肉薄な豆です。
おすすめ焙煎度
ヘビーなコクと控えめな酸味、バランスの良い甘味を楽しみたい 中煎り
香りも良く、甘味と酸味のバランスが良いコーヒーが楽しめます。火が通りやすい豆なので、焙煎難易度がやや高めですので注意が必要です。
焙煎について 世界には数多くのコーヒー豆が存在し、品種や生産国による精製方法、酸味や苦み、豆の大きさ、硬さなど様々な特徴があります。そして、そのコーヒー豆のポテンシャルを引き出すためには、適切な焙煎度(煎り止め)が必要になってきます。 […]
現在に至るまでの歴史を解説
独立を経てキューバ革命、旧ソ連崩壊後にアメリカと国交断絶されるなど、多くの困難に直面してきました。
キューバコーヒーの歴史
1748年にイスパニョーラ島(ハイチ・ドミニカ)からコーヒーが伝わりました。
1791年のハイチ革命から逃れてきたフランス人移民が来るまで目立ったコーヒー栽培は行われてきませんでした。
1827年には2000ほどのコーヒー農家があり、キューバの主要な輸出品になるまで成長しました。
1950年代に起きたキューバ革命により、1961年に旧ソ連の強大な力を借りたキューバは社会主義共和国になりました。
その後、それまであったコーヒー農園は国営化され生産量は急激に落ち込みました。政府から支援や報奨金が多少ありましたが、コーヒー生産は困難を極め1970年代に生産量はピークを迎えました。
キューバはソ連からの支援などに依存していましたが、1991年のソ連崩壊で支援物資は途絶え、1990年代前半にキューバ経済は未曽有の危機に見舞われました。
その後、経済面における改革に着手し、経済危機のショックを緩和するには役に立ちましたが、国民の格差拡大や汚職などの不正行為が広がるといった問題も起こっています。
現在もキューバのコーヒー生産は低迷しており、ほぼ横ばいを推移しています。
道路などのインフラも整備されておらず、コーヒー設備も古いものが多く使用されています。
基本的な精製方法はナチュラル(天日干し)ですが、輸出用はウォッシュト(水洗式)で精製されています。
キューバならではの飲み方
濃厚なコクと控えめな酸味、バランスの良い甘味がキューバコーヒーの特徴ですが、飲み方にも色々な作り方が存在しています。
コルタード
少量の温かい牛乳で薄めたエスプレッソです。金属製の特殊なグラスで提供されます。
cyclonebill – Cortado, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
カフェ・コン・レチェ
濃いめのコーヒー(大抵はエスプレッソ)と温めた牛乳をおおよそ1:1の比率で混ぜて作ります。好みで砂糖や甘味料を混ぜます。
Jeremy Keith – Café con leche, CC 表示 2.0, リンクによる
キューバン(カフェ・クバーノ)
キューバ発祥のエスプレッソの一種です。抽出時に砂糖を加える甘いエスプレッソです。
User:Colinkb7 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
キューバ豆の格付け(グレード)
等級 | 名称 | 条件 |
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1 | クリスタルマウンテン | スクリーンサイズ 18〜19以上 欠点豆4個以下 エスカンブライ山脈産 |
2 | エクストラ トルキーノラバド(ETL) | スクリーンサイズ 18以上 欠点豆12個以下 |
3 | トルキーノラバド(TL) | スクリーンサイズ 17以上 欠点豆19個以下 |
4 | アルトゥーラ(AL) | スクリーンサイズ 16以上 欠点豆22個以下 |
等級は豆の大きさと欠点豆の数で決められます。
中でも「クリスタルマウンテン」は希少なコーヒーとして有名で、全体のわずか3~4%ほどしかない最高級品と言われています。
トレーサビリティ
特定の農園まで遡ることは難しく、地域もしくは地区までしか遡ることはできません。
気になる生産地域をチェック!
カリブ海に位置し、亜熱帯性海洋気候で年間平均気温は25.5度と過ごしやすい気候です。
主な生産情報と品種
標高は比較的低く平野が多くありますが、栽培に適した山岳地帯と冷涼な気候で日当たりも良い生産地です。
主に生産地は、東部、中部、西部の3つに別れています。
東部
標高:1000~1200m
収穫期:7月~12月 品種:ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、ビジャロボス
マエストラ山脈とクリスタル山脈が南岸沿いにそびえる地域です。標高が国内で最も高く最高点は海抜1974mに達します。コーヒー生産はほとんどこの地域で行われています。
複雑な味わいのスペシャルティコーヒーを生む最適な気候です。
中部
標高:350~900m
収穫期:7月~12月 品種:ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、ビジャロボス
エスカンブライ山脈とグアムアヤ山脈が南側の海岸にそびえ、少量のコーヒーが栽培されています。
酸味はほぼ無く、濃厚なコクとスギに似た香りが特徴的です。
西部
標高:300~550m
収穫期:7月~12月 品種:ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、ビジャロボス
国内最西部の生産地で生物圏保護区のでもあります。
豆はマイルドで力強く、スパイシーさも感じられます。
まとめ
キューバコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。
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濃厚でヘビーなコク、酸味とバランスの良い甘味が特徴です。
豆は全体的に柔らかく肉薄です。焙煎難易度はやや高めです。
濃厚なコクと酸味、バランスの良い甘味を楽しみたい 中煎り
クリスタルマウンテン エクストラ トルキーノラバド トルキーノラバド アルトゥーラ
地域もしくは地区までしか遡ることはできません。
東部 十分な標高と、最適な気候でキューバを代表する生産地です。
中部 酸味はほぼ無く、濃厚なコクとスギに似た香りが特徴的です。
西部 マイルドで力強く、スパイシーさも感じる味わいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。