世界から注目されるエチオピアコーヒー 特徴や生産地域・歴史を詳しく解説
エチオピアは世界中のコーヒー生産国から最も魅力的な国と評価されています。
華やかな香りを持つエチオピアコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、現在に至るまでの歴史や生産地域も詳しく解説していきます。
基本情報 | |
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国名 | エチオピア連邦民主共和国(アフリカ) Federal Democratic Republic of Ethiopia |
人口 | 1億1496万3583人(※1) |
面積 | 109.7万平方キロメートル |
首都 | アディスアベバ |
コーヒー生産量 | 738万袋(※2) |
参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)
(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)
エチオピアコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?
淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。
特徴
全体的に香りが非常に華やかで、フローラル・フルーティーなコーヒーが特徴です。
フレーバーが豊富で高品質なコーヒーを生産しています。「ウォッシュト」と「ナチュラル」で全く違う味と香りを楽しむことができます。
おすすめ焙煎度
フルーティーな味を楽しみたい 浅煎り
バランスの良いコーヒーを楽しみたい 中煎り~深煎り
まずは浅煎りで香りを楽しむのが良いかと思います。
焙煎について 世界には数多くのコーヒー豆が存在し、品種や生産国による精製方法、酸味や苦み、豆の大きさ、硬さなど様々な特徴があります。そして、そのコーヒー豆のポテンシャルを引き出すためには、適切な焙煎度(煎り止め)が必要になってきます。 […]
エチオピアはコーヒーの原産国? 現在に至るまでの歴史を解説
農業が経済の中心ですが周期的なかんばつや、森林破壊など様々な問題に悩まされています。
エチオピアはコーヒーの原産国
一般的にコーヒーの原産国と言われています。
しかしコーヒーノキが初めて見つかったのは現在の南スーダンとの説もあり詳しくは分かっていないようです。
エチオピアコーヒーの歴史
当初はフルーツとして食べていました。初めてコーヒーを農産物として栽培していたのはイエメンでしたが、エチオピアはそれ以前から自生したコーヒーノキからコーヒーを収穫していたと言われています。
初めてコーヒーが輸出されたのは17世紀ごろ。当時のエチオピアはカファ地区やブノ地区に自生するコーヒーノキからコーヒーを収穫していました。
19世紀には2つの等級が存在しており、ハラール地区周辺で栽培された「ハラール」とそれ以外の地域で自生していた「アビシニア」の等級をもつコーヒーが普及していました。
「ハラール」は長年にわたり上質であると評価されていたようですが安定はしていなかったようです。
エチオピアのコーヒーは一般的に「モカコーヒー」と呼ばれています。由来はかつてエチオピアで収穫したコーヒー豆は一度イエメンの「モカ」に集められ、モカ港から海外へ輸出されていたので「モカコーヒー」と呼ばれるようになりました。
現在「モカ港」は使われていませんが、昔の名残でエチオピアコーヒー=「モカコーヒー」となっています。
エチオピア国営コーヒー協会の設立
1950年頃には新しい格付けシステムが導入され、エチオピア国営コーヒー協会が設立されました。しかしその後、クーデターが起こり大規模な農場経営ができなくなりコーヒー産業が衰退。再び自生するコーヒーを収穫するようになりました。
民主化に向けた動き
その後民主化に向け動き始め、エチオピアは国際市場に参入しましたが市場価格の変動に翻弄されます。
2008年には「エチオピア農産物取引所」(ECX)が導入されました。目的は売り手と買い手双方を保護できる効率の良いシステムを作ることでした。この導入は生産者への支払いが早くなったことが最大のメリットでしたが、デメリットとして(ECX)の倉庫にコーヒー豆が運ばれると精製方法と産地ごとに商品が仕分けられてしまい詳細な生産履歴が分からなくなってしまいました。
エチオピアの生産システム
現在は3種類の生産方法があります。
フォレスト・コーヒー
南西部の自生したコーヒーノキから収穫する方法。しかし木の周りに他の植物も生えているのでコーヒーノキの実も様々な種類が交っており生産性と収穫量は低い手法です。
ガーデン・コーヒー
農家や住居周辺に植えられたコーヒーノキから収穫します。人によって管理されているので比較的安定した品質が保てます。エチオピアの大部分の生産を占めている手法です。
プランテーション・コーヒー
大規模農場で栽培されるコーヒー。肥料を使うなど一般的な方法で栽培しています。
エチオピア豆の格付け(グレード)
等級 | 欠点豆の数(300g中) |
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G-1 | 0~3個 |
G-2 | 4~12個 |
G-3 | 13~27個 |
G-4 | 28~45個 |
G-5 | 46~90個 |
等級は欠点豆の少なさでランク分けされています。G-1になると欠点豆を見つけること自体が難しくなります。(あるときはありますが・・・)
トレーサビリティ
エチオピアの問題点としてトレーサビリティが明確なコーヒー豆が少ないことでした。
しかし徐々に高品質でトレーサビリティが明確なコーヒーを作る生産者が増加し問題は改善されています。
気になる生産地域をチェック!
乾季、大雨季、小雨季があり、平均気温は20~25度と高地のため涼しく過ごせます。
主な生産情報と品種
3大ブランド「イルガチェフェ」「シダモ」「ハラール」は特に有名で一度は試すべき産地になります。
※エチオピアコーヒーの品種は自生していたコーヒーに複数の品種が混ざったコーヒーを収穫しているため「在来種」と表記されます。
イルガチェフェ
標高:1750~2200m
収穫期:10月~1月 品種:在来種
エチオピアを代表する最高級品で最も素晴らしいコーヒーの産地です。特にウォッシュトのコーヒーはシトラス系とフローラルの豊潤な香りでコーヒーよりも紅茶に近い感じです。
一度は試す価値があります。まずは「浅煎り」からお楽しみください。
シダモ
標高:1400~2200m
収穫期:10月~1月 品種:在来種
エチオピア3大ブランドの一つ。フルーティーで香り高く、非常に人気の高いコーヒーの生産地です。
ハラール
標高:1500~2100m
収穫期:10月~2月 品種:在来種
エチオピアで最も古く続く生産地域の一つです。ナチュラルコーヒーは雑味があり、生木臭と土臭さがありますが強いブルーベリーの香味にも変化する非常に特徴のあるコーヒーになります。専門家もその変化に驚くコーヒーです。
リム
標高:1400~2200m
収穫期:11月~1月 品種:在来種
評判は高くありませんが素晴らしいコーヒーの生産地に一つになります。小規模農家がほとんどですが政府が所有する大規模プランテーションもあります。
ジマ
標高:1400~2000m
収穫期:11月~1月 品種:在来種
エチオピア南西部にある生産地。マイルドな味を楽しめます。こちらも知名度はイマイチですが生産量が多くコスパがいいです。
ギンビ/レケンプティ
標高:1500~2100m
収穫期:2月~4月 品種:在来種
ギンビとレケンプティの2つの町周辺を合わせた産地です。焙煎業者はどちらかの名前を使うこともあれば、両方の名前を使うこともあります。他の地域と比べても、コク、甘さ、個性が強い傾向にあります。
まとめ
エチオピアコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。
香りが非常に華やかで、フローラル・フルーティーなコーヒーが特徴です。
豆のサイズは比較的小さく、高地栽培らしい硬さも併せ持ちます。
フルーティーな味を楽しみたい 浅煎り
バランスの良いコーヒーを楽しみたい 中煎り~深煎り
G-1 G-2 G-3 G-4 G-5
明確なコーヒー豆が少ないことでしたが徐々に高品質でトレーサビリティが明確なコーヒーを作る生産者が増えてきて改善されています。
イルガチェフェ 「ウォッシュト」コーヒーはシトラス系とフローラルの豊潤な香りでコーヒーよりも紅茶に近い感じです。
シダモ フルーティーで香り高く、非常に人気の高いコーヒーの生産地です。
ハラール 「ナチュラル」コーヒーは雑味があり、生木臭と土臭さがありますが強いブルーベリーの香味にも変化する非常に特徴のあるコーヒーです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。