【インドネシアコーヒー】特徴とおすすめ焙煎度 マンデリンを中心とした世界の愛されコーヒー

インドネシアコーヒー 特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を解説

独特な味わいがあるインドネシアコーヒーは世界中の人々から愛されています。

伝統的な精製技術「スマトラ式」を持つインドネシアコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を詳しく解説していきます。

基本情報
国名インドネシア共和国(アジア東部)
Republic of Indonesia
人口2億7352万3621人(※1)
面積約192万平方キロメートル
首都ジャカルタ
コーヒー生産量1213万袋(※2)

参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)

(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)


インドネシアコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?

淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。

特徴

「スマトラ式」で精製したコーヒーは非常に重厚なコクがあり、土や木のような匂いがありスパイシーでほんの少し酸味があるのが特徴です。

スマトラ島北部で採れるマンデリンは柔らかな舌ざわりとコクが世界中の人に愛されていて特に有名な銘柄です。


おすすめ焙煎度

深いコク、キレを楽しみたい   中煎り

バランスの良いコーヒーを楽しむ   中煎り~中深煎り

マンデリンは力強いコクがあり、雑味も少なくバランスが良いので特に日本人に好まれています。

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インドネシアコーヒーの歴史

インドネシアのコーヒーは1696年インド、マラバールのオランダ人総督が当時のバタビア(現在のジャカルタ)総督に数本のコーヒーの苗木を贈ったのが始まりでした。

しかしこの苗木はジャカルタの洪水で流されてしまいましたが1699年に再び贈られたコーヒーの苗木が繁殖し、そこからコーヒー栽培が本格的に始まりました。


コーヒー輸出が始まったのは1711年、オランダ東インド会社が管理していました。

当初、インドネシアではアラビカ種のみ生産されていましたが1876年にサビ病でほとんど全滅してしまいました。代わりにリベリカ種を植えましたが、こちらもサビ病の被害にあったため病気に強いロブスタ種が生産されるようになりました。現在はロブスタ種が生産量の大半を占める様になりました。


品種名

最初に持ち込まれたアラビカ種の多くはイエメンから持ち込まれティピカ種系の品種に起源があります。

スマトラ島では「ジュンベル・ティピカ」と呼びますがスラウェシ島で見つかった別の品種を指すこともあります。スラウェシ島のコーヒーはスマトラ島より品質が低いので注意が必要です。
ロブスタ種との交配品種で「ティモール・ハイブリッド」と呼ばれ「ティムティム」と呼ばれることがあります。


オールド・ブラウン・ジャワ

ジャワ島のいくつかの農園は輸出前に5年ほど豆をエイジング(寝かせる)します。

エイジング後の豆は色が青緑から土褐色に変化します。焙煎したコーヒーは酸味が残らず鋭い辛みと木のにおいを感じるようになります。好き嫌いの分かれるコーヒーですが一見の価値はあると思います。

精製法の特徴

「ギリン・バザー」と呼ばれるスマトラの伝統的な精製法があります。

ウォッシュトとナチュラルの要素を組み合わせたもので、淹れたコーヒーに劇的な効果をもたらします。

酸味が著しく減り、コクも増し、滑らかで円熟した濃厚なコクのコーヒーができます。

しかし一方で野菜やハーブのようなにおい、もしくはカビや木、土臭さといった様々なフレーバーも出てしまい、品質も均一化せず味もそろわないのがデメリットです。

スマトラ式で精製されたコーヒーのフレーバーはコーヒー業界内でもかなり意見が分かれますが根強い人気もあります。


インドネシア豆の格付け(グレード)

等級欠点豆の数(300g中)
G10~11個
G212~25個
G326~44個
G445~80個
G581~150個

インドネシアの豆は品質に結構バラつきがあります。同じように欠点豆の数で格付けしているエチオピアと比べると欠点豆の数は多いです。

「SP G1」
※上記等級よりも上、スペシャルG1もあります。最高級G1の中でもさらに優れていることを表します。豊潤でトロピカルな香味、深いコク、キレのある苦みとマンデリンならではの魅力が詰まっています。日本人に特に好まれる味で雑味が少なく味のバランスも非常に優れています。
見つけたら即試してみることをおススメします。

トレーサビリティ

個々の農場で生産されたコーヒーを見つけるのは可能ですが難易度は高くなります。しかし生産履歴が明確で「フリー・ウォッシュト」を発見できたら絶対に試す価値はあります。


コピ・ルアクとは

休んでいるジャコウネコ

有名なコーヒーとして特に高級品として扱われる「コピ・ルアク」

コーヒーチェリーを食べ消化されかかったジャコウネコのふんを集め、乾燥させる方法で素晴らしいフレーバーを持つと言われています。

高級品なので試してみたい方もいると思いますが下記のような問題もあることを頭に入れておかなければなりません。

① 模造品があふれ実際の生産量より数倍以上の量が出回っています。しかも低品質のロブスタ種が高値で取引されてます。

② 悪徳業者がジャコウネコを罠で捕まえコーヒーチェリーを無理やり食べさせるという虐待が行われています。

ジャコウネコ・・・めちゃくちゃ可愛いですね。

気になる生産地域をチェック!

5月~11月が乾季で、11月~4月が雨季になります。乾季は湿度があまり高くならず過ごしやすくなります。

主な生産情報と品種

やはり有名なのは「スマトラ・マンデリン」お試しあれ。

スマトラ島

標高:アチェ州 1100~1300m、トバ湖 1100~1600m、マングラジャ周辺 1100~1300m

収穫期:9月~12月 品種:ティピカ

主に3つの生産地が有名です。(北部アチェ州、やや南のトバ湖周辺、南部マングラジャ周辺)
「スマトラ・マンデリン」は特に有名です。マンデリンは地名ではなくスマトラ島に住むマンデリン族の名前です。一部地域でしか栽培されない希少な豆です。


ジャワ島

標高:900~1800m

収穫期:7月~9月 品種:ティピカ、アテン、USDA

植民地の歴史とオランダの政策によりほかの地域より大規模なコーヒー農園が多あります。ジャワ島で作られたコーヒーは長い間素晴らしく高い評判を誇っていましたが次第に本物のジャワ・コーヒーは他のコーヒーで代用されるようになりました。ジャワ・コーヒーは長年、高額で取引されていましたが20世紀末には価格が下がっています。


スラウェシ島

標高:タナトラジャ 1100~1800m、ママサ 1300~1700m、ゴワ 平均850m

収穫期:5月~11月 品種:S795、ティピカ、アテン

コーヒー農家の大半は小規模農家が生産しており、この島ではアラビカ種の大半を標高の高いタナトラジャ付近で栽培しています。
南部のカロシで生産されるコーヒーはブランド名にもなりました。この島の完全にウォッシュトで精製されたコーヒーは素晴らしい味を感じられます。ロブスタ種も大量に生産しています。


バリ島

標高:1250~1700m

収穫期:5月~10月 品種:ティピカ、ロブスタ

バリ島におけるコーヒー生産の約80%はロブスタ種で目立ったコーヒーは特にありません。


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まとめ

インドネシアコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。

【インドネシアコーヒー】特徴・おすすめ焙煎度・その他情報

味・生豆の特徴

重厚なコクと土や木のような匂い、スパイシーでほんの少しの酸味が特徴です。

それほど肉厚ではありませんが非常に大きい粒が目立ちます。


おすすめ焙煎度

深いコク、キレを楽しみたい 中煎り

バランスの良いコーヒーを楽しみたい 中煎り~中深煎り


豆の格付け(グレード)

SPG1 G1 G2 G3 G4 G5


トレーサビリティ

個々の農場で生産されたコーヒーを見つけるのは可能ですが難易度は高くなります。


注目の生産地域

スマトラ島 「スマトラ・マンデリン」が特に有名です。柔らかな舌ざわりとコクを是非楽しんでください。

スラウェシ島 標高も高く栽培に適した地域です。特に完全に「ウォッシュト」で精製されたコーヒーは素晴らしい味を感じられます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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