【ケニアコーヒー】特徴とおすすめ焙煎度 世界的にも評価の高い高品質コーヒー

ケニアコーヒー 特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を解説

野生動物の宝庫と言われる自然豊かな国で、インド洋沿岸部には美しいビーチやサンゴ礁が見えるリゾート地もあります。

世界的にも評価の高いケニアコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を詳しく解説していきます。

基本情報
国名ケニア共和国(アフリカ)
Republic of Kenya
人口5377万1300人(※1)
面積58.3万平方キロメートル
首都ナイロビ
コーヒー生産量78万袋(※2)

参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)

(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)


ケニアコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?

淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。

特徴

甘酸っぱさとコクのある風味で、香りも強いのが特徴です。

豆は硬いです。他の品種とも相性が良いのでブレンドにも使える優秀な豆です。


おすすめ焙煎度

ベリーやフルーツ系の甘い香りと力強い味わいを楽しみたい   中深煎り~深煎り

バランスのとれたケニアらしい酸味を楽しみたい   中煎り

ピーベリーは特に甘味が強烈で、ケニアらしい酸味が味わえるおススメの一品です。ぜひ中煎りで味わってください。

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コーヒー豆の焙煎度 基礎知識

現在に至るまでの歴史を解説

東アフリカでは経済の中心として発展し、自然豊かで多くの観光客を集めています。主要産業は農業で、雇用面でも重要な役割を果たしています。

ケニアコーヒーの歴史

1893年、宣教師から初めてケニアにコーヒーが持ち込まれました。

持ち込まれた品種は「ブルボン種」と言われており、約3年後に収穫されました。当時のケニアはイギリスの植民地だったので、収穫されたコーヒーはロンドンのみで売られていました。


1933年にコーヒー条令が可決し「ケニアコーヒー局」が設立されるとケニアでコーヒーが売買されるようになりました。

1934年にオークション制度、翌年はコーヒー豆の格付けに関する規定ができあがり、ケニアコーヒーの品質はさらに向上しました。


1950年代に農業支援策(スウィナートン計画)が施行され、コーヒー生産がイギリスからケニアに移行されました。

スウィナートン計画は、ケニアの経済開発を進めイギリスに対する反感を抑えることと、イギリス本国への食料増産が狙いでした。

主な施策はアフリカ人へ土地の私有化と換金作物の普及をし、富裕層を形成することでした。これにより小規模農家の収入は大きく増えることに成功しました。


1963年に独立を果たし、今も非常に質の高いコーヒーを生産しています。

ケニアのコーヒーに対する研究は優秀で、生産者によるコーヒー生産への教育も熱心に行っています。


ケニアコーヒーの品種

ケニアでは「アラビカ種」が多く栽培されています。主な品種は「SL28」「SL34」「K7」「ルイル11」「バディアン」です。

「SL28」「SL34」は非常に果実感の強いフレーバーでコーヒー業界から注目されていますが、サビ病に弱い弱点がありました。

ケニアコーヒー局は現在も研究を続けていて「ルイル11」や「バディアン」など新しい品種を作っています。特に「バディアン」は将来、優れたコーヒーになると期待されています。


ケニア豆の格付け(グレード)

等級名称豆の大きさスクリーンサイズ
AA18~176.75mm~7.53mm
AB16~155.95mm~6.74mm
~14~5.94mm
E(※3)スクリーンサイズ18より大きい豆
TTAA・AB・Eからはじかれた軽くて小さな豆
最も小さいサイズで主に欠けた豆や割れた豆

主にサイズでランク分けされています。豆のサイズと品質は、ほぼ比例しているので「AA」は最高級豆と判断して間違いありません。(※3 エレファント・ビーン)
その他の等級

名称条件
PB(ピーベリー)コーヒーチェリー内の豆が1つだけのもの
MH(重いムブニ)ナチュラル精製(Mbuni Heavy)
ML(軽いムブニ)ナチュラル精製(Mbuni Light)

精製方法のほとんどがウォッシュトで輸出されます。ナチュラルもありますが、やや酸味が目立つため一般的に安い価格で取引されます。


トレーサビリティ

「ファクトリー」と呼ばれるウォッシングステーションに小規模農家の豆は持ち込まれ、各ファクトリーの名前で出荷されます。そのため明確なトレーサビリティを持つコーヒー豆を買うことができます。

アフリカの風景

気になる生産地域をチェック!

気候は赤道直下に位置し、熱帯性気候です。国土の大部分が標高1100m~1800mの高原なので、年間平均気温が19度の乾燥した高原サバンナ地帯となっています。

主な生産情報と品種

注目すべき生産地「ニエリ」は特に有名です。「キリニャガ」も高品質なコーヒーを生産している地域です。

キリニャガ

標高:1300~1900m

収穫期:10月~12月(メインクロップ)、6月~8月(フライクロップ) 品種:SL28、SL34、ルイル11、バディアン

標高が高く、年2回の雨季もありコーヒー栽培に理想的な環境です。とても高品質なコーヒーが生産されています。


ニエリ

標高:1200~2300m

収穫期:10月~12月(メインクロップ)、6月~8月(フライクロップ) 品種:SL28、SL34、ルイル11、バディアン

ケニアでも最高品質を誇るコーヒーを生産する地域です。メインクロップの時期に収穫されたコーヒーが特に高品質で有名です。


エンブ

標高:1300~1900m

収穫期:10月~12月(メインクロップ)、6月~8月(フライクロップ) 品種:SL28、SL34、ルイル11、バディアン、K7

火山性土壌が広がり、様々な品種を生産する地域です。


メルー

標高:1300~1950m

収穫期:10月~12月(メインクロップ)、6月~8月(フライクロップ) 品種:SL28、SL34、ルイル11、バディアン、K7

有機物が豊富な土壌を持ち、メルー族と呼ばれる部族がケニアで初めてコーヒーを栽培した地域です。


西部地区

標高:1500~1900m

収穫期:10月~12月(メインクロップ)、6月~8月(フライクロップ) 品種:SL28、SL34、ルイル11、バディアン

狭い生産地域ですが「トランゾイア、キーヨ、マラクウェット」のコーヒーは注目されつつあります。


マルサビット

標高:1300~1400m

マルサビットの森林ではアカネ科の野生種が発見されていて研究が進められています。輸出はされていませんがこれからのコーヒーにとって重要な研究を行っています。


まとめ

ケニアコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。

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【ケニアコーヒー】特徴・おすすめ焙煎度・その他情報

味・生豆の特徴

甘酸っぱさとコクのある風味、香りも強いのが特徴です。

豆は硬いです。幅広いブレンドに使える優秀な豆です。


おすすめ焙煎度

甘い香りと力強い味わいを楽しみたい 中深煎り~深煎り

バランスのとれたケニアらしい酸味を楽しみたい 中煎り


豆の格付け(グレード)

AA AB TT

他にも、PB MH MLがあります。


トレーサビリティ

各ファクトリー(ウォッシングステーション)の名前で出荷されるので、明確なトレーサビリティを確認することができます。


注目の生産地域

キリニャガ 理想的な環境で、とても高品質なコーヒーが生産されています。

ニエリ ケニアで最高品質を誇るコーヒーを生産しています。特にメインクロップの時期に収穫されたコーヒーが高品質です。

西部地区 「トランゾイア、キーヨ、マラクウェット」のコーヒーは徐々に注目されつつあります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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