パナマコーヒー 特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を解説
パナマ運河が有名で、赤道に近い高温多湿の亜熱帯気候です。
コーヒーの価格で世界最高値をつけたパナマコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を詳しく解説していきます。
基本情報 | |
---|---|
国名 | パナマ共和国(中央アメリカ) Republic of Panama |
人口 | 431万4768人(※1) |
面積 | 7.6万平方キロメートル |
首都 | パナマシティー |
コーヒー生産量 | 12万袋(※2) |
参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)
(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)
パナマコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?
淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。
特徴
上質なコーヒーが多く、シトラス系の華やかな香りとさっぱりした繊細で複雑なフレーバーが特徴です。
豆の形は全体的に細長く、先細りしています。
おすすめ焙煎度
風味を残しつつ、華やかな香りと豊かなコクを楽しみたい 中煎り
上品な香りとほのかな酸味を楽しみたい 浅煎り~中煎り
精製方法によって味の変化もありますが、基本的に「やや浅めの中煎り」が最適です。
焙煎について 世界には数多くのコーヒー豆が存在し、品種や生産国による精製方法、酸味や苦み、豆の大きさ、硬さなど様々な特徴があります。そして、そのコーヒー豆のポテンシャルを引き出すためには、適切な焙煎度(煎り止め)が必要になってきます。 […]
スペシャリティコーヒー業界から注目される高品質コーヒーを生産 現在に至るまでの歴史を解説
大人気のパナマ産コーヒーですが昔は評判がイマイチで、生産量も少ない時代もありました。
パナマコーヒーの歴史
初めてパナマにコーヒが持ち込まれたのは、19世紀初頭でヨーロッパからやって来た入植者だと言われています。
栽培されたコーヒーのほとんどはアメリカに輸出されていました。
気象条件がコーヒー栽培に適しており、生産者も高い技術と熱意を持っています。
パナマ産コーヒーが高い理由は、高品質なコーヒー栽培技術と国による高い基準の労働法によるものです。
労働者へ支払う賃金が比較的に高い傾向があるため、そのコストが消費者へ上乗せされているからです。
土地開発によるコーヒー産業への影響
近年は外国人居住者が増加傾向にあり、かつての農園の多くが居住地として販売されています。物価が安くて美しい国ならではの悩みです。
パナマ三大ゲイシャ農園
「エスメラルダ農園」
コーヒー業界に強い影響を与えた特別な農園です。ピーターソン家が所有し運営しています。2004年に行われたパナマ国際オークションで市場最高値をつけ落札され、一大ゲイシャブームが起こりました。
高品質なコーヒーは独特なフローラル、かんきつ系のフレーバーが特徴的です。ボディも軽く、まるで紅茶のような味わいがあります。
「ドンパチ農園」
農園主は「パナマ・ゲイシャの父」とも呼ばれ、ゲイシャ種の質の高さは群を抜いています。エチオピアのイルガチェフェに似たフレーバーで、シトラス系の華やかな香りと豊かなコクが楽しめます。
「ママカタ農園」
2002年にベストオブパナマに選ばれたコーヒー豆を生産しています。かんきつ系の強いフレーバーとヨーグルトのような酸味をもつ個性的なコーヒーを生産しています。
パナマ豆の格付け(グレード)
等級 | 名称 | 略称 | 標高 |
---|---|---|---|
1 | ストリクトリー・ハード・ビーン | SHB | 1350m~ |
2 | ハード・ビーン | HB | 1200~1350m |
3 | エクストラ・プライム・ウォッシュト | EPW | 900~1200m |
等級は栽培地の標高で決まります。豆の熟成度が高いのが特徴です。
トレーサビリティ
高いトレーサビリティを誇り、ほぼ全てのコーヒーは特定の農園まで遡ることができます。しかも精製方法やコーヒーの明確な品種までわかる場合もあります。
気になる生産地域をチェック!
沿岸部は暖かく、山岳地帯は過ごしやすい気候で雨が多く降ります。平均気温は沿岸部で29度、山岳地帯では18度です。
主な生産情報と品種
ほとんどの豆はチリキ県西部で生産されています。小中農園が多く、優れた生産処理場とインフラが整っています。
ボケテ
標高:400~1900m
収穫期:12月~3月 品種:ゲイシャ、ティピカ、カトゥーラ、カトゥアイ、ブルボン、サン・ラモン
最も古く有名な地域です。バル火山の標高の高さと、冷涼で頻繁に霧が発生する環境でゆっくりと熟成したコーヒーチェリーは世界屈指の高値が付きます。エスメラルダ農園もこの地域です。
ボルカン=カンデラ
標高:1200~1600m
収穫期:12月~3月 品種:ゲイシャ、ティピカ、カトゥーラ、カトゥアイ、ブルボン、サン・ラモン
パナマ屈指の標高があります。定期的な雨と豊かな土壌で生産される豆は、甘さと複雑さが特徴的です。
レナシミエント
標高:1100~1500m
収穫期:12月~3月 品種:ゲイシャ、ティピカ、カトゥーラ、カトゥアイ、ブルボン、サン・ラモン
パナマ最北のチリキ県にあり、知名度が低い地域です。アクセスはかなり悪いですが、雑味がなく酸味の強い豆が特徴です。
まとめ
パナマコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。
シトラス系の華やかな香りとさっぱりした繊細で複雑なフレーバーが特徴です。
豆の形は全体的に細長く、先細りしています。
風味を残しつつ、華やかな香りと豊かなコクを楽しみたい 中煎り
上品な香りとほのかな酸味を楽しみたい 浅煎り~中煎り
基本的に「やや浅めの中煎り」が最適です。
SHB HB EPW
等級は栽培地の標高で決まります。豆の熟成度が高いのが特徴です。
ほぼ全てのコーヒーは特定の農園まで遡ることができます。精製方法や明確な品種までわかる場合もあります。
ボケテ 気候条件に恵まれた高品質なスペシャリティコーヒーが生産されています。エスメラルダ農園もこの地域です。
ボルカン 定期的な雨と豊かな土壌で生産され、甘さと複雑さが特徴的です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。