【タンザニアコーヒー】特徴とおすすめ焙煎度 キリマンジャロを筆頭に優秀なコーヒーを生産する国

タンザニアコーヒー 特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を解説

タンザニアのコーヒーといえば「キリマンジャロ」が有名ですが、キリマンジャロは銘柄名ではなくタンザニア産コーヒー豆の全てを指すブランドとなっています。

フルーティーで華やかな香りを持つタンザニアコーヒーの特徴とおすすめ焙煎度、生産地域を詳しく解説していきます。

基本情報
国名タンザニア連合共和国(アフリカ)
United Republic of Tanzania
人口5973万4213人(※1)
面積94.5万平方キロメートル
首都ドドマ
コーヒー生産量100万袋(※2)

参考:(※1 United Nations World Population Prospects 2019より)

(※2 全日本コーヒー協会 ICO統計より)


タンザニアコーヒーの特徴 おすすめ焙煎度は?

淹れたときに感じる味や香り、生豆の特徴やおすすめの焙煎度などを解説します。

特徴

香りが突出しており、淹れている瞬間からベリーやフルーツの香りが感じられます。

肉厚で大粒な豆ですがコーヒーらしい濃厚な苦みとコクもあります。アイスコーヒーにしても薄さを感じさせない優秀なコーヒーです。


おすすめ焙煎度

フルーティーで華やかな香りを楽しみたい   中深煎り

香りとコクのバランスを楽しみたい   中深煎り ~ やや深煎り

焙煎の難易度は高く、深く煎りすぎると苦みが非常に強くなるので注意が必要です。中深煎りまでに抑えるのがコツです。

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コーヒー豆の焙煎度 基礎知識

コーヒー栽培の始まりから現在に至るまでの歴史を解説

アフリカ最高峰のキリマンジャロなど、自然をメインとした観光を楽しむことができる国ですがコーヒーが根付くまでに様々な苦労があったようです。

タンザニアコーヒーの歴史

コーヒーがタンザニアに持ち込まれたのは16世紀にエチオピアから伝わったそうです。持ち込んだのは「ハヤ族」でハヤコーヒー、アマワニと呼ばれロブスタ種であったと考えられています。

タンザニアの文化に深く根付いており、熟したコーヒーチェリーは茹でていぶした後に噛んで利用されていました。


ドイツ植民地時代

当時のコーヒーは換金作物(自家消費ではなく市場販売を目的として生産する農作物のこと)でした。1911年に入植者がブコバ地域でアラビカ種の栽培を義務付け、次々とコーヒーが生産されました。


第一次大戦後

英国がブコバ地域を支配し、ブコバに1000万本以上のコーヒーの苗木を移植しましたがハヤ族が反発し苗木を引き抜いてしまいました。その結果ブコバではあまりコーヒー生産は発展しませんでした。

1925年キリマンジャロ先住民栽培者協会(KNPA)と呼ばれる初の協同組合が結成され、生産者はロンドンへ直接高値で販売できるようになりました。


1961年の独立後

タンザニア政府はコーヒー栽培に注目し、1970年までに生産を倍増させようとしたが実現はしませんでした。産業の停滞、高いインフレ率、経済の衰退に苦しんだ政府は複数政党制民主主義へと転換しました。


コーヒー産業の改革

1990年代初頭、生産者からバイヤーへより多くのコーヒーが直接売られるようになりました。1990年代後半に萎凋病(いちょうびょう)が国内に広まり、ウガンダ国境に近い北部のコーヒーの木がダメージを受けました。これによりコーヒー産業は大きく後退することとなりました。


萎凋病(いちょうびょう)とは?

感染したコーヒーの木を完全に死に至らしめる病気です。ほとんどのコーヒーがこの病気にかかりやすく、世界的な問題を引き起こす可能性もあります。

症状はコーヒーの木の血管系の破壊、水の伝導障害、葉の水分の喪失、変色、葉の喪失、立ち枯れ、幹の腫れ、木のひび割れが起こります。

一度病気にかかると死は避けられません。病気が見つかったら、コーヒーの木を地面の高さで切り、燃やして破壊するしかありません。

病原菌は風に乗って広がりますので予防策は木に傷をつけない、もしくは傷を避けることです。さらに無機肥料、マルチ等をを使用して植物の健康を維持するしかありません。


タンザニア豆の格付け(グレード)

等級名称スクリーンサイズ
AA6.75mm~
6.25~6.75mm
6.15~6.25mm
5.90~6.15mm

粒の大きさによって等級が決まります。上記以外にも大味な「エレファント」(E)、小粒で希少な「ピーベリー」(PB)が存在し、さらに等級1と2の中で特に軽い豆を(AF)、等級3と4の中で特に軽い豆を(TT)が存在し少し複雑です。


トレーサビリティ

国内で生産されるコーヒーの約90%が小規模農家によって生産されています。生産者組合とウォッシングステーションまで遡る事も可能です。大規模農園であれば特定の農園までたどれます。

キリマンジャロの登頂

気になる生産地域をチェック!

赤道直下に位置しており熱帯ですが、場所により気候も様々です。特にキリマンジャロなどの山岳地域は寒暖の差が激しくなります。

主な生産情報と品種

タンザニアでは多量のロブスタ種が生産されていて北西部にあるビクトリア湖周辺に集中しています。他の生産地域は標高の高さが特徴的です。

キリマンジャロ

標高:1050~2500m

収穫期:7月~12月 品種:ケント、ブルボン、ティピカ

最も古くからアラビカ種の栽培が行われている地域で、世界的な認知度も高く定評もあります。近年生産量がやや低下気味です。


ルブマ

標高:1200~1800m

収穫期:6月~10月 品種:ケント、ブルボン

国の最南部に位置します。過去に資金面の問題で栽培が滞ったこともありましたが、質の高いコーヒー栽培が可能であると考えられています。


ムベヤ

標高:1200~2000m

収穫期:6月~10月 品種:ケント、ブルボン、ティピカ

国の南部に位置するムベヤ市を中心とし、紅茶やカカオ・香辛料など価値の高い輸出用作物を生産する主要地域です。近年は認証団体やNGOがコーヒーの質を高めようと注目している地域でもあります。


タリメ

標高:1500~1800m

収穫期:7月~12月 品種:ケント、ブルボン、ティピカ、ロブスタ

国の最北部に位置し世界的にあまり知られていない地域です。生産量は比較的に少なく精製設備も限られていますが、近年関心が寄せられ過去10年で生産量は3倍に増加しました。


キゴマ

標高:1100~1700m

収穫期:7月~12月 品種:ケント、ブルボン、ティピカ

国の北西部にある高原に位置しブルンジとの国境が近い場所です。他の地域に比べると発展途上ですが、非常に魅力的なコーヒーを栽培しています。


まとめ

タンザニアコーヒーの解説は以上です。参考になったでしょうか?
世界には様々なコーヒーがあり、その産地独特の豆が多数あります。気になったら試してみて下さい。下記に生豆や味の特徴・おすすめ焙煎度・その他情報をまとめました。

【タンザニアコーヒー】特徴・おすすめ焙煎度・その他情報

味・生豆の特徴

淹れた瞬間から華やかな香りが漂います。爽やかな酸味とフルーツの香りが混じった複雑でみずみずしいコーヒーが楽しめます。

肉厚で大粒な豆が特徴的です。アイスコーヒーにしても薄さを感じさせない優秀なコーヒーです。


おすすめ焙煎度

フルーティーで華やかな香りを楽しみたい 中深煎り

香りとコクのバランスを楽しみたい 中煎り~やや深煎り


豆の格付け(グレード)

AA

他にも大味なエレファント(E)、小粒で希少なピーベリー(PB)等級1と2の中で特に軽い豆(AF)、等級3と4の中で特に軽い豆(TT)があります。


トレーサビリティ

生産者組合とウォッシングステーションまで遡る事も可能です。大規模農園であれば特定の農園までたどれます。


注目の生産地域

ムベヤ 各種団体がムベヤに注目しておりコーヒーの質を高めようとしています。要チェックです。

キゴマ まだ発展途上ですが、非常に魅力的なコーヒーを栽培しています。ぜひ試してほしい地域です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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